内見のとき、私は間取りと日当たりばかり見ていました。
30分ほど部屋を回って、「きれいですね」と言って帰る。それで見た気になっていたんです。
後から分かった問題は、そのどれとも関係のないところにありました。
中古住宅の内見は、実は部屋を見る時間より、部屋以外を見る時間のほうが大事だと思っています。
今回は、私が「先に見ておけばよかった」と感じた場所を順番にお伝えします。
内見は、順番を決めておくと抜けません
現地に着くと、どうしても中から見たくなります。
でも中に入ると、内装のきれいさに引っぱられて判断が甘くなる。私はそうでした。
おすすめは、外から内へ、下から上へという順番です。
| 順番 | 見るところ | 分かること |
|---|---|---|
| ① | 前面道路と敷地の境目 | 再建築できるか、車が停められるか |
| ② | 基礎と外壁 | ひび割れ、雨水の当たり方 |
| ③ | 床下・水回り | 湿気、漏水の跡 |
| ④ | 天井・押し入れの上 | 雨漏りの跡 |
| ⑤ | 居室・収納 | 広さ、日当たり |
| ⑥ | 周辺(時間を変えて) | 音、におい、人通り |
居室が5番目なのが、この表のポイントです。
①前面道路は、いちばん取り返しがつかないところ
内装は直せます。設備も交換できます。
でも道路との関係だけは、あとから直せません。
見るのは主に2つです。
- 道路に何メートル接しているか…接し方が足りないと、建て替えができないことがあります
- その道が私道かどうか…私道の場合、水道管の工事で掘削の承諾(他人の土地を掘る許可)が要ることがあります
ここは現地で見ただけでは分かりません。その場で不動産会社に聞いてください。
「再建築はできますか」「この道は私道ですか」。この2つだけで十分です。
②基礎と外壁は、しゃがんで見る
建物の足元は、意外と誰も見ません。私も最初は見ていませんでした。
しゃがんで、基礎(コンクリートの部分)をぐるっと見てみてください。
- 細い髪の毛のようなひび → よくあることで、すぐ問題にはなりにくい
- 幅がはっきり分かるひび、段差がついているひび → 専門家に見てもらったほうがいい
- 外壁を触って手に白い粉がつく → 塗装の劣化が進んでいるサイン
白い粉は分かりやすい目印です。近いうちに外壁の塗り替えが必要になる、と考えておくといいと思います。
③水回りは、蛇口をひねる
遠慮して触らない方が多いのですが、ここは実際に使ってみたほうがいいところです。
不動産会社に一言断れば、たいてい大丈夫です。
- 蛇口をひねって、水の出とにごりを見る
- 洗面台やシンクの下の扉を開けて、湿っていないか、においがしないか
- 浴室の壁と床の境目に黒ずみがないか
- できれば床下点検口を開けてもらう(湿気とカビのにおいが分かります)
においは写真に写りません。その場でしか確認できない情報なので、内見の価値が一番高いところだと思います。
④天井は、押し入れの上を見る
居室の天井はきれいに直されていることが多いです。
雨漏りの跡が残っているのは、たいてい手を入れていない場所のほうです。
- 押し入れやクローゼットの天井
- 階段の上の壁
- 屋根裏の点検口(開けてもらえるなら、ぜひ)
茶色い輪じみがあれば、過去に雨漏りがあった可能性があります。
大事なのは、あったかどうかより直したかどうかです。そこを聞いてください。
⑥同じ場所を、違う時間に見る
これは、私がいちばん人にすすめたいことです。
内見はたいてい昼間に行きます。でも生活するのは朝と夜ですよね。
できれば一度、夕方か夜に、車で周りを一周してみてください。
- 近くの道が通勤の抜け道になっていないか
- 夜の暗さ、街灯の位置
- 近隣の駐車の様子(路上に停まっていないか)
これは不動産会社に頼まなくてもできます。外から見るだけで、印象がかなり変わることがあります。
その場で聞いておきたい5つ
- 再建築はできますか(接道と、道路の種類)
- この道は私道ですか。掘削の承諾は取れていますか
- 雨漏りやシロアリの履歴はありますか。直していますか
- 給湯器や水回りは、いつごろ交換していますか
- 近隣との境界は確定していますか
答えがすぐ出てこなくても大丈夫です。「調べて回答します」と言ってもらえるかどうかのほうが大事だと思っています。
よくある質問
Q. 1回の内見でどのくらい時間をかけるものですか?
私は最低でも1時間はほしいと感じています。30分だと外回りを飛ばしてしまいます。気に入った物件なら、日を変えて2回行く価値は十分にあります。
Q. 素人が見て分かるものでしょうか。
すべては分かりません。ただ「聞くべきことを聞いた記録」が残るだけでも意味があります。判断に迷う物件なら、住宅診断(インスペクション)を検討する手もあります。
Q. 気になる点を指摘すると、嫌がられませんか?
きちんとした会社なら、むしろ助かるはずです。逆に、質問に対する答え方が曖昧なら、そこが判断材料になります。
まとめ
- 内見は外から内へ、下から上へ。居室は後回しでいい
- 道路との関係だけは、あとから直せない
- 水回りは実際に蛇口をひねり、扉の中とにおいを確認する
- 雨漏りの跡は押し入れの天井に残っている
- 一度、夕方か夜に周りを回ってみる
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次回は、契約の前に確認しておく書類について書こうと思います。
まずは次の内見で、玄関に入る前に道路と敷地の境目を見る。それだけ足してみませんか。
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